高柳商店街
笑顔溢れるまちをつくる
笑顔溢れるまちをつくる。高柳商店街は、そんな思いを抱いて「高柳の夜店」など地域の子どもたちに愛されるイベントの運営や、B級グルメイベントなど数々の新規企画を打ち出し、地域を盛り上げてきた。
そして現在商店街内では新規出店が続いており、これからの商店街の賑わいに期待が高まっている。
今回の記事では、今楽しめる高柳商店街の味わい深いスポットや、昔からなじみのあるお店、そして商店街のこれからについて掘り下げていく。
スポット紹介
今社(いまのやしろ)
高柳商店街の北側に鎮座する「今社(いまのやしろ)」。
社殿が作られたのは明治44(1911)年で、高柳商店街が出来上がるよりも昔からこの地にあったものだそう。
「今」というのは、宮川の支流である清川に面した地名「井庭(いば)」、または流水を蓄える意味合いとしての「井場」からきた名。
本殿には五穀豊穣を司る神が祀られている。
この地は神宮外宮の摂社の清野井庭神社の跡地ともいわれているそうだ。
学業成就の絵馬がつるされている様子や、地元の方がアーケードを通って参拝に訪れる様子から、地域に根差した神社ということがうかがえる。
鳥居をくぐり、神社の中をゆっくり歩いてみる。
木々の木漏れ日が、今社の本殿や稲荷神社の狛犬をキラキラと照らす。そんな様子を眺めているだけで、心がすっと穏やかになっていく。
少し日常につかれた時は、
参拝して心を穏やかにし、温もりあるアーケード商店街を歩いてゆっくり買い物、というのも良いかもしれない。
〒516-0077
三重県伊勢市宮町1丁目1−8
0596-25-6193
ピーターパン
総菜と雑貨の店「ピーターパン」。
1983年に創業し、40年にわたり愛され続けてきた。
もともとはお茶が飲める雑貨屋だったそうだが、現在は総菜販売がメインとなっている。
老若男女問わず人気のピーターパン。
人気の秘訣は味だけではなく、「量の丁度良さ」と「値段のお手ごろさ」。
一人暮らしのお年寄りの場合、コンビニやスーパーの総菜の量だと「何日かに分けて食べないといけない」多さだそう。
ピーターパンのお惣菜は、ちょうど食べきりやすいサイズで、値段も量に見合った価格となっている。
500円もあれば、かなりお腹いっぱいになれるセットが作れてしまう。
また、「食べる人の健康を考え防腐剤不使用」という点も嬉しい。
さらにメニューの種類が豊富で、おでん、カレー、ホットドッグ、たわらおにぎり、揚げ物、蒸しパン、焼き魚などに加え、季節に沿ったメニューとして、節分の太巻き、春のちらし寿司なども販売されている。
毎回「どれにしようかな?」と迷う楽しみがあるのも、ピーターパンの魅力の一つだ。
大人にも子どもにも大人気のきなこパンは税込150円。
油でじゅわっと揚げられたパンにきなこ砂糖がたっぷりまぶされており、砂糖のジャリジャリした食感がなんだか懐かしくて美味しい。
人気商品のため品切れになりやすい。購入希望の方はオープン直後に店頭へ。
〒516-0078
三重県伊勢市曽祢1丁目11−8
0596-28-7952
[営業時間]10:00-17:00
[営業日]火曜日・木曜日のみ営業
おく宗
江戸末期(1819年)創業の老舗呉服屋おく宗。
現在の当主は奥田宗吾さん(7代目)。
呉服(振袖、留袖、訪問着、色無地、小紋、紬、ゆかた、別染法被など)全般、レンタル品の取り揃えもある。
女将の奥田ありささんは、カラーコーディネーターの資格を有しており、その人その人にマッチしたコーディネートを提案してくれる。
何かと悩みがちな和服選びだが、優しく温かい人柄で丁寧に相談にのってもらえるのが嬉しい。
「すでに持っている着物への小物の提案もできますよ。帯締め、帯揚げ、衿など小物を変えるだけで雰囲気がガラッと変わります」と、ありささん。
和服選びやコーディネートで悩んだ際、ぜひ頼ってみてほしい。
〒516-0078
三重県伊勢市曽祢1丁目14−21
0120-474-109
[営業時間]10:00-18:00
[定休日]水曜日
WEB Site/Facebook/Instagram
高柳商店街の歴史と魅力
ここからは、
「おく宗」 7代目当主、伊勢高柳商店街振興組合の代表理事でもある奥田宗吾さんに、高柳商店街の魅力についてお話を伺った。
「ただいま」「おかえり」と
声が飛び交う商店街
「私自身が子どもの頃、親だけでなく商店街の他の大人たちにも育ててもらった記憶があります。
商店街に帰ってきたら『ただいまー!』と、大きな声であいさつする。そうすると、大人が『おかえりー!』と元気よく返事をしてくれる。
ちなみに、挨拶をしないと商店街の大人たちからしっかり怒られました(笑)。
毎日、商店街にある色々なおうちにお邪魔して、お風呂に入らせてもらったりご飯を一緒に食べさせてもらったりしながら、沢山の事を教えてもらって育ちました。
現在も商店街内では元気な挨拶が飛び交っていて、商店街ぐるみで子育てしている感覚があります。」
商店街の人々のとびっきりの笑顔が原体験
「私が『商店街や伊勢のまちを盛り上げていきたい』と奮闘し続けられるのは、まちぐるみで家族みたいに沢山笑い合った思い出が原体験にあるからかもしれません。
楽しそうに近所のおじちゃん、おばちゃんが大爆笑している姿が記憶にこびりついています。
笑顔があふれる場所って、自然と人が寄ってきますよね。
自然と人が集まり笑顔がどんどん生まれる。そんなまちや商店を目指しています。」
大正時代から続いてきた高柳の夜店の魅力
「高柳の夜店は、大正4年から続く歴史ある伊勢の風物詩です。
6月と7月の第1週までの1・6・3・8が1桁目につく日と土曜日に開催され、屋台や手作りゲーム会場、踊り、太鼓、イベントなど催し物も盛沢山で、伊勢の夏を賑やかなものにしてきました。
過去には、お化け屋敷や迷路、プロジェクションマッピングなど、当時の流行や最先端技術などを取り入れたイベントも開催されており、毎年新たな試みが行われる面白さもありました。
そして、高柳の夜店は商店街内の人々にとっても大きな楽しみとなっていました。
5月頃になると商店街の各店舗が夜な夜な楽しそうに装飾などの準備を始めます。
私が幼いころ大人たちがワイワイと盛り上がりながら準備している様子を目にして、見ている側もワクワクと楽しい気持ちになった記憶があります。
準備の段階から大人も子どももワクワクさせてくれるのが高柳の夜店の魅力ですね。
現在『高柳の夜店の賑わいが恋しい』という方が多くいらっしゃると思います。私自身も、コロナ禍が収束し再開できるようになることを心待ちにしています。」
高柳の夜店の公式ページは【こちら】
商店街イベント開催への挑戦
「2019年からB級グルメフェス【いただきフェス】を伊勢まつりにあわせて開催するようになりました。
それまで伊勢まつりの際は高柳商店街としての大きな関わりはなく、【練り】がアーケードを少し通るだけでした。
私はまだ代表理事になる前でしたが、B級グルメに目を付けてイベント出店経験のある方にも相談し、高柳商店街を盛り上げたいという思いを持って商店街振興組合の会議に議題を持ち込んだんです。
すると『やったらええやん』と即座にOKをいただけました。
『次世代のチャレンジをどんどん応援する』という上の世代の方たちの風土を今後も大切にしていきたいと思っています。
「いただきフェス」をやってみて、結果は大繁盛大成功でした。
アーケードの特性を活かせた形だったかもしれません。
横幅が広いアーケードのため動線の確保がしやすく屋根があって雨でぬれる心配がなかったことから、多くの人に足を運んでいただけました。」
いただきフェスの様子は【こちら】
新規出店者続々
これからは次の世代を応援
「最近は商店街内で【ぎょうざの美鈴 製造直売店】や、洋菓子店【伊勢スイーツラボリング】、パーソナルトレーニング【’NL’ SPACE Gym&Cafe】、名入れ箸などの雑貨店【縁起の伊勢屋】など続々と出店が続いています。
新規出店してもらえるのは本当にありがたいことです。
地元の名店である【ぎょうざの美鈴】さんの製造直売がスタートし、高柳商店街に足を運んでくださる方が増えました。
ジムはこれまで商店街になかったので、また新たなお客さんが足を運んでくださる可能性があります。
縁起の伊勢屋はネットショップ販売の知識に長けており、今後商店街にもノウハウを提供してくれるそう。
また、高齢化がすすむ中で20代~40代の若い方が出店してくれることが何よりうれしいですね。
私たちが若いころ、この高柳商店街でいろんなことにチャレンジさせてもらえました。
今度は世代交代も視野に入れつつ、自分たちがバックアップする番ですね。
これから高柳商店街がどんなふうに盛り上がっていくのか?今からとても楽しみです。」