浦之橋商店街
アイデアマンの集う商店街
浦之橋商店街には、何代も続く伝統を守りながらも、新企画や新商品を打ち出し続ける店舗や、地元学生と連携しSNS発信に取り組む人々、世代間を越えて交流を生み出す施設づくりに取り組む人々など、商店街を盛り上げるアイデアマンたちが揃っている。
今回の記事では、浦之橋商店街や まちを盛り上げるべく、様々なことに取り組む店舗や地域の人々についてご紹介する。
スポット紹介
なかこう青果店
大正5(1916)年創業、約100年続く老舗八百屋「なかこう青果店」。
現在は3代目の中村雅美さんが、妻の中村日依子さんとともに店を営んでいる。
「新鮮で質の良いいもの」にこだわっており、地域のお客さんからの信頼も厚い。
さらに無農薬野菜も取り扱っており、食べる人の健康への心遣いがうれしい。
2020年11月「これまでにない青果店」を目指し、内装や取扱商品などをリニューアル。
定番の野菜以外にもビーツにパパイヤ、メローゴールドなど、珍しい青果が店頭に多数並ぶ。
そのほかにも、野菜やご飯のおともにピッタリな「食べるオイル」や、ソース類など、食卓をにぎやかに彩ってくれる食材が取り揃えられた。
こちらは「Berry Berry Berry MIXベリーのベジフルフローズンスムージー」(税込900円)。
カリウム、ビタミンCなど栄養が詰まったベリー類や苺がふんだんに使用されている、大満足の一品。
MIXベリースムージーのほか、季節に合わせた野菜やフルーツを使用したスムージーも多数あり。
それぞれ、野菜とフルーツのほかは、オーガニックメープル、無添加ヨーグルト、レモン汁だけで作られているそう。
飲む人への思いやりと、深いこだわりを感じる。
さらには、
たくさんの野菜を使ったオリジナルピクルス、心も体も温まるポタージュ、
「こんな商品あったらいいな」とお客さんとの会話から生まれた絶品フルーツポンチ、
生クリームたっぷりのフルーツサラダなど、新商品が続々と登場している。
見たことのない青果や、食べたことのない調理法で青果の可能性や魅力に気づける「なかこう青果店」。
足を運び、新たな出会いを求めてみてはいかがだろう。
〒516-0805
三重県伊勢市常磐2丁目6−21
0596-28-2305
[営業時間]8:30-18:00
[定休日]日曜(臨時営業もあり)
Instagram
めん処政成
出汁にこだわっためん類、ボリュームたっぷりの丼ものなどが人気の「めん処政成」。
暖簾をくぐると、出汁の良い香りがふんわり鼻をくすぐり、家族連れや、カップル、サラリーマン、お一人さまなど、多様なお客さんが皆一様に幸せそうな表情で、料理をほおばる光景が店内に広がっている。
「天ぷらうどん」(税込980円)は、風味豊かな出汁、コシのあるうどんと、揚げたてサクサク天ぷらが魅力のメニュー。
出汁は、上質な利尻昆布と4種(鯖・うるめ・鰯・宗田)のブレンド節を、高性能浄化器でろ過した水でじっくり煮だし、厳選された醤油を合わせて作られているそう。
「食を通じ、お客様一人一人の日常の幸せと地域の笑顔と交流を創造する」ことをコンセプトに掲げ、最近では、お店として新たな事業にも挑戦。
チキン専門店CRISPY CHICKEN n’ TOMATOとコラボし、今話題のヤンニョムチキンなどの販売をスタート。
地域で長く愛されてきた伝統の味を守りつつ、時流に合わせた革新的な挑戦にも取り組んでいる「めん処政成」。
今後の展開も目が離せない。
〒516-0041
三重県伊勢市常磐2丁目4−28
0596-21-0022
[営業時間]昼営業11:00-15:00(14:30LO) 夜営業17:30-21:30(21:00LO)
[定休日]木曜日
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浦之橋商店街の魅力・歴史について
ここからは、
伊勢浦之橋商店街振興組合理事長の山川 博美さんに、浦之橋商店街の魅力や、歴史についてお話を伺った。
明治時代の古地図に「浦之橋」の記載
「商店街の発祥時期は不明なのですが、明治時代の古地図には「浦之橋」の記載があったようです。
私の幼いころ(1950年頃)には、すでに商店街が出来上がっており、私の父が理事長を務めていました。
商店街の周辺は畑も多く、野遊びをして過ごしていた記憶があります。」
シンボル「筋向橋」の欄干
商店街あたりの歴史を語るシンボルとして、筋向橋(すじかいばし)の欄干が残されている。
筋向橋は、伊勢参宮街道と伊勢本街道、熊野街道が合流する交通の要衝であり、筋向橋から伊勢神宮 外宮までの約1キロメートルの間は、町の主要道路だったそう。
古くから参宮街道沿いには市場が形成され、街道の発達と共に市場も繁盛していった。
山川さん「昔、浦之橋は『河崎口』と呼ばれていたそうです。というのも、江戸の頃に大規模な問屋街へと発展した河崎に、浦之橋を通ってきのこなどの山の幸や炭などを運んでいたからだとか。
浦之橋のあたりは伊勢神宮を参拝する旅人たちだけでなく、商人たちも行き交う賑やかな場所だったんですね。
現在、暗渠(あんきょ:地下に埋没した水路)となっていますが、筋向橋の下のあたりには今も宮川の支流である清川が流れています。
清川はその名の通り『清らかな川』ということで、参拝に訪れた方が筋向橋で足を止め、川で手を清めたという言い伝えを聞いたことがあります。」
世代間を越えて交流を生み出す
仕掛けづくり
2017年、浦之橋商店街に「伊勢メディアケアセンターひかりの橋」がオープン。
隣接する「子育て支援センターきらら館」と、ひかりの橋を利用するご高齢者や地域の方々が集い、三世代交流ができるスペースが設けられた。
「理事として、きらら館の誘致やひかりの橋建設事業、三世代交流事業について、地域の皆さんと共に尽力してきました。
きらら館とひかりの橋の間にあるフェンスは取り外しができるようになっており、「三世代交流広場」として、祭やイベントなどが開催できるようになっています。
商店街では子どもたちとの交流を大切にしており、きらら館が出来上がった15年前から、毎年クリスマスのサンタクロース役を商店街が頼まれて、子どもたちにクリスマスプレゼントを配っています。
きらら館設立当時の15年前に出会った子どもたちが今年ついに成人を迎えたので、感慨深い気持ちになりました。
また、子どもたちの成長を応援する目的で、小学校3~4年生のあたりで行う職業体験の受け入れを浦之橋商店街にて行っています。
各店の仕事の面白さだけでなく、商店街ならではのお店同士のつながりや地域のお客さんとの温かみあるやりとりも面白いと感じてもらえれば、という思いがあります。」
学生と連携し活動する
「SNS委員会」
浦之橋商店街では、皇學館大学の学生と連携しSNS委員会を発足。
商店街の魅力を多くの方に伝えるべく日々投稿を行っているそう。
学生ならではの視点で、商店街の様子やイベント開催時の状況を楽しい雰囲気で発信しており、見ている側も元気をもらえる。
浦之橋商店街SNS
Facebook/Twitter/Instagram
「参加しやすい」軽トラ市
山川さん「浦之橋商店街の店舗や、地域外の出店者が集まる【軽トラ市】を開催しています。
道路使用許可を得て歩行者天国を作っているので、買い回りしやすいイベントになっているのが特徴です。
また出店者側からも、軽トラの荷台から商品をおろして陳列する必要がないので『準備の手間がかからず参加しやすい』と好評なんです。
コロナ禍でも密を避けて開催できるため、出来る限りではありますが、商店街の賑わいのために開催を続けている形です。
私は軽トラ市やSNS委員会など、お互いの顔を見知った【商店街】というチームだからこそ取り組みやすいこともある、と商店街の繋がりの魅力を日々感じています。
今後も商店街を盛り上げていけるようなアイデアを、地域の皆さんや学生の皆さんと交流をしながら練り、実行していきたいですね」
軽トラ市についての投稿は【こちら】
浦之橋商店街のアクセス情報
〒516-0041 三重県伊勢市常磐2丁目1−10