宮後
新たな住人やお店をあたたかく迎え入れる地域の繋がり
宮後(みやじり)は、外宮参道など観光スポットにほど近い地域だが、住宅地や小学校、病院などが立地し、地元住民の生活感を感じられるエリア。
宮後の人々は、地域内での繋がりを大切にし、新たに地域に加わった住民やお店もあたたかく迎え入れる。
今回は、古くから愛されるお店、そして、新たに迎え入れられたお店をそれぞれご紹介。
スポット紹介
伊勢うどんのまめや
大正12(1923)年創業の「伊勢うどんのまめや」。
昔から変わらない味と、地元食材にこだわって、伊勢神宮参拝後に立ち寄る旅人や、地元住民に長く愛され続けてきた。
伊勢うどんは1杯で税込550円。
三重県産の小麦「あやひかり」を使用した麺は、1時間茹で、一晩寝かせてコシを抜く方法で、ふんわりモチモチした食感に。
真っ黒なタレには、紀州の宗田節、笹節、そして、度会郡玉城町にあるミエマン醤油西村商店のたまり醤油と、合わせ醤油が使用されている。
太いモチモチ麺に、鰹節のうま味とたまり醤油のアクセントが効いたタレが絡んで箸が進んであっという間に1杯食べ終わってしまう、なんとも「やみつき」な味わいが魅力。
ランチタイムには、にぎり3貫、天ぷら、小鉢またはサラダがつく定食メニューも(平日のみ・数量限定)。
大満足の品数で価格は税込1,100円と、かなりお得。
麺類は、うどん・そば・さぬき(冷)から選べる。
麺類をメインにしたメニュー以外も充実しており、牛丼、かつ丼、伊勢海老天丼、牛鍋定食など、総メニュー数は80種類以上にも及ぶ。
是非、何度も足を運び、お気に入りのメニューを見つけてみてほしい。
〒516-0072
三重県伊勢市宮後2丁目19−11
0596-23-2425
[営業時間]平日10:00~15:00/17:00~19:30 土日祝10:00~19:30
[定休日]火曜日(水曜日が連休になるときがあります)
WEB Site
HIGH-LIGHTER(ハイライター)
HIGH-LIGHTERの立ち上げについて
HIGH-LIGHTERの代表・川原さんは「地元伊勢で、自分たちのスタイルを発信する箱を作りたい」という思いを発端に、複合施設建設プロジェクトをスタートさせた。
国内外問わず様々な地で実際に居住をしてきて、自分の目で見て肌で感じてきた経験を、このHIGH-LIGHTERに取り入れた形。
「その後、集まってきたショップの皆さんは、情熱のある仲間ばかり。HIGH-LIGHTERを盛り上げる仲間として本当に心強いです。」と、川原さん。
「【HIGH-LIGHT】という言葉には、教科書などに蛍光ペンで線を引き、際立たせるという意味があります。
それにERを付けて、【HIGH-LIGHTER】つまり、色づける人。
色を塗る【PAINT】ではなく、オリジナルのベースに【HIGH-LIGHT】(蛍光マーカー)を、それぞれのLIFEをそれぞれの表現方法で、自他共に色付けていく人であり集団である仲間が集まりました」と話してくださった。
地域の日常に溶け込む複合施設に
宮後地域を選んだ理由について、代表の川原さんに伺った。
「伊勢市駅の南口側は伊勢神宮 外宮もあり、県内外から多くの人が訪れるエリアですが、あえて北口側、伊勢市民にとっての生活圏で出店することに意味があると感じています。
営業していると、目の前の公園でゲートボールをしているご高齢の方が、コーヒーを飲みに、ふらっと立ち寄ってくれたりするんです。
そんなふうに、HIGH-LIGHTERが老若男女問わず地域の皆さんの日常に溶け込み、愛される施設になっていくのが楽しみです」
〒516-0072
三重県伊勢市宮後2丁目17−16
090-9196-1716
[営業時間]11:00-19:00※ショップにより異なります
[定休日]水曜日※ショップにより異なります
Instagram
HIGH-LIGHTER内
ショップ紹介
PROUD COFFEE
コンセプトは【あなたの日常の一つに。】
PROUD COFFEEでは、バリスタがハンドドリップで淹れるコーヒーと、パティシエが作るスイーツを楽しむことができる。
「店を訪れた方の【行きつけ】になれるように」という思いが込められており、
コーヒー豆やスイーツのラインナップは、季節やその時々に合わせて少しずつ変化させているそう。
内装にも工夫が施されており、空間のどこに目を向けても心が躍る。
植栽は「植物と共存する」というアイデアをもとに、土間をくり抜いて直に植えられている。
PROUD COFFEEは「バリスタ、パティシエそれぞれが自分の得意な分野を生かし、自分たちの仕事を誇りに思えるように」という思いでつけられた名称。
誇りを持って仕事に打ち込むスタッフの皆さんの姿は、見ている側にも勇気や刺激を与えてくれる。
メニューの「フラットホワイト」(税込550円)は、オーストラリア、ニュージーランド発祥のコーヒー。
ニュージーランドでバリスタを経験した堀尾直矢さんが、現地の味を取り入れた。
「カフェラテ」にも似ているが、スチームしたミルクのフォームが少ないのが特徴であり、より滑らかな口当たり。
パティシエこだわりの「クッキーシュー」(税込360円)。
香ばしく焼かれたザクザク生地に、濃厚なクリームがたっぷりつまっている。
クリームは「ディプロマット」というもので
卵黄とバニラをふんだんに使用したカスタードクリームと、限界まで泡立てたホイップクリームを合わせて作られたものだそう。
一口頬張れば、幸せな気分になれること間違いなし。
[営業時間]11:00-19:00(18:00LO)
[定休日]水曜日
Instagram
HL STORE CANARIA
HIGH-LIGHTER代表・川原さんの運営するセレクトショップ「HL STORE CANARIA」。
メンズ・レディース服、雑貨、コスメなどが取り揃えられている。
お二人がこだわり選定した商品の中には、三重県内で初めて取り扱われるブランドも多数。
新たな出会いに期待して、足を運んでみてほしい。
[営業時間]11:00-19:00
[定休日]水曜日
Instagram
eyelash salon soie(ソワ)
HIGH-LIGHTERオープン第二陣として1月14日から営業スタートしたsoie。
「soie(ソワ)」はフランス語で「絹」を意味し、絹のように上質で心地よく、ひとりひとりに馴染むようなカウンセリング、アイラッシュデザインを施してもらえる。
店主の杼村(とちむら)彩花さんの暖かい人柄も魅力的。
複合施設内にある店舗だが、サロン専用口から完全個室に入る設計となっており、安心してサロン利用できる工夫がなされている。
[営業時間]10:00~20:00
[定休日]水曜日
Instagram/HOT PEPPER Beauty
Fourlique(フォーリーク)
「ナチュラルスタイル」を大切にした雑貨、服を販売するFourlique。
もともと自宅ショップとして11年間営まれた後に、2022年1月20日にHIGH-LIGHTERへ移転。
「Fourliqueの店内には良質で丁寧につくられたお洋服や生活の雑貨が沢山あります。」と、店主の川原いずみさん。
オーガニック化粧品などは、人や環境への影響に配慮した商品が取り揃えられており、なかには国内で手に入りにくい珍しい商品も。
「贈り物を購入しに来てくださるお客さまも多いです」と、店主・川原さん。
確かに、Fourliqueのこだわりの品々を見ていると、大切なパートナー、友人、家族に渡してみたくなる。
[営業時間]11:00-18:00
[定休日]日曜日・水曜日
WEB Site/Instagram
outino works
あわせて、2022年2月10日に照明・スイッチ・ハウスパーツ・DIYパーツなどを取り扱うお店「outino works」もopen。
こちらも是非足を運んでみてほしい。
[営業時間]11:00-18:00
[定休日]水曜日・木曜日
Instagram
宮後の魅力、
HIGH-LIGHTER建設について
ここからは、
宮後地域で生まれ育ち、HIGH-LIGHTER建設に携わった奥野建設の社長、奥野勇樹さんに、地域の魅力や、HIGH-LIGHTER建設にあたってのストーリーについて伺った。
地域愛を持った方が多いエリア
「私のまわりにはこの地域(宮後・厚生学区)に対して、愛着や愛情を持っている方がたくさんみえます。
それには様々な理由がありがありますが、やはり親から子へ代々にわたってこの地域にお世話になっているからではないでしょうか。
私自身も結婚後、学区外で生活をしていましたが、子供の小学校入学を機にこの地域に戻ってきました。
そこには、『自分の子供にも宮後という地域ですくすく育ってほしい。』という思いがあったからです。
宮後地域には駅や商店街が近くにあり、便利で住みやすいという魅力もありますが、『地域に住まう人々のあたたかさ』もまた、住んでみて感じる魅力だと思います。
近年失われつつありますが、地域の人と人との顔がみえる距離の近い関係というのも、私はとてもいいと感じます。
また、子供たちもその光景をみて『自分も、大人になったらこの地域で家族と暮らしたい』と思うサイクルが生まれるのかなと考えたりします。」
この地に根付く古き良き思い出
「私が小学生だった頃、商店街には多くの人出があり、とても賑やかな空間でした。
時代が進むにつれて郊外に大きな施設ができ…どこの地域も例外ではありません。
ですが、今でも道を説明する際に【梅花堂の踏切】や【七越ぱんじゅうの前】【エルファーの交差】など、最後のはわたしだけかもしれませんが(笑)
いずれにしても、今は無き場所が各々の心の中で残っている表れだと考えます。
また新たに出来たお店が地域の人々に愛されることで、地域のランドマークとしての役割を果されること思います。」
人が「集い」
「賑わう」まちづくりを
「『良き時代』より人口も減り、お店を閉めることで出来る『空き家』が増えてきてる印象も受けます。
『空き家』が増えることで発生するデメリットには防犯の観点や、景観や衛星環境の悪化などが挙げられます。
それらを少しでも改善していきたい、空洞化していく厚生学区に『人の集まる賑わい』を取り戻したいと思い、厚生地区まちづくりの会の中で【厚生すみか】というチームを立ち上げていただき、私もその中で活動をさせていただいております。
そこでは、地元住民のネットワークを生かし、空き家に対する調査・研究や伊勢市の運営する空き家バンクへの情報提供を行っています。」
厚生すみかの情報は【こちら】から
古い建物を活かし、
若者が新しい価値を吹き込んだ
「HIGH-LIGHTERはかなり古い倉庫をリノベ―ションして作られた建物です。
奥野建設は古い建物や空き家を壊すのではなく、利活用していく物語に強く興味を持っています。
私自身も、祖父の持っていた社屋の2階を自宅にリノベーションしました。
川原さんをはじめとするHIGH-LIGHTERに携わる皆さんと元となる建物を初めて見たとき、
これから始まるプロジェクトの可能性にワクワクした記憶があります。
地域に残る古い建物が若者に見いだされ、新たな形で利活用される素敵な例となりました。」
地域と、新たに訪れる人々を繋ぐ
「HIGH-LIGHTERに携わる皆さんが
『伊勢市駅の北口側にあたる伊勢の生活圏で、あえてチャレンジしてみたい』と熱く話していたことも印象深いです。
この宮後地域で長く愛されてきたお店の特徴を振り返ってみると
【働いている人の顔が見える】ような地域との関係性を作っているお店が次々と思い浮かんできます。
住民同士だけでなく、お店とのつながりもまた、血の通ったあたたかいものであってほしいと、
建設会社としての役割だけではなく、
長く宮後地域を知る住民として、「顔が見える」関係性づくりのお手伝いをしました。
まだ出来上がったばかりの建物ですが
徐々に地域に馴染んで愛されるお店になっていっているように見えてうれしい限りです。
今後さらに宮後が盛り上がっていくよう、HIGH-LIGHTERのみなさんを含め、地域のみなさんにお力添えをいただきながら、建設会社として、そして何よりも地域で暮らす住民として、尽力していきたいと考えています。」